男の渋さの極み 家族であることマフィアであること 映画 ゴッドファーザー

 

どうもみなさんお疲れ様です。永遠の中二病ギンジです。

 

 

 

今回私が紹介したいのはこちらの映画!

 

 

 

f:id:ginji_chuni:20181116134102j:plain

 

 

そう!いわずと知れた不朽の名作

 

映画「ゴッドファーザー」です。

 

 

 

「一番好きな映画なんですか?」

これってけっこう難しい質問だと思います。

 

なかなか一つには決められないし、ぱっと浮かんでこなかったりしますよね。

 

しかし私は即答です。

 

「ガッファーダー」

発音も完璧です。

 

godのoは「お」と「あ」の間くらいを狙いつつ、

fatherのthはしっかり舌を歯で一旦はさんで逃がしながら、

 

はいみなさんもご一緒に

 

「ガッファーダー」

 

はいそうです。

 

 

前回紹介したSLAM DUNK

 

人間の美しい部分が前面に出た作品ならば

 

この作品は真逆といえるかもしれません。

 

綺麗ごとばかりじゃない世の中を

 

時には手段を選ばず、汚いことをしても、

 

それでも強く生き抜いていく人間達の物語です。

 

 

その強さたるや

 

その覚悟たるや

 

 

特に男性には是非一度は観てもらいたい。

きっとこう思うはずです。

 

 

 

 

 

「うわぁ、かっけぇ…。」

 

 

そうです。ひねり一切無しです。

 

渋い男が見たくなった時、たくましい男が見たくなった時、

ナヨナヨした自分に渇をいれたくなった時、強くなりたいと思った時、

暇な時、

 

 

是非この映画を観ることをオススメします。

 

 

ゴッドファーザーとの出会い

 

 

SLAM DUNK6周したと書きましたが、

この映画も、はっきりとは覚えていませんが、

最低でも5周はしたと思います。

 

 

 

初めてみたのは、まさに中二病よろしく

中二の時でした。

 

同級生達が世界の中心で愛を叫んだり、いま、あいにいったりしている中で、

 

「俺はお前らとは違えよ?」

 

と、例の発作を起こし、

 

意味もわかっていない英語のプリントTシャツ

Bad Boysのズボンをはき、

お土産屋さんに売ってるような十字架のネックレスをして、

 

一人、駅前のTSUTAYAに颯爽と駆け込んでいったのです。

 

そして勉強机が圧倒的な存在感を放つ自室にて

ゴッドファーザーを初めて観たのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッ、全然わからん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直な所、中二の私には、その面白さがさっぱりわかりませんでした。

はっきり言って

 

 

 

「ああジャッキー・チェンの映画観てえ。」

 

 

 

と思うくらいに、観るのがしんどかったのを覚えています。

 

 

 

それもそのはず。

自分が特に馬鹿だったということを抜きにしても、

中学生がぐっとくるシーンは多分ありません。

 

 

ソニーが浮気セック〇をしてるシーンと

アポロニアのおっぱい

 

 

ぐらいだと思います。

 

 

 

 

 

それくらいゴッドファーザーで描かれているかっこよさというのは

 

綺麗ごと抜きのリアル

 

であり、

女子の着替えを見るために配管をよじ登って隣の校舎の屋上にスタンバイしている

ような時期にわかるものでは無かったんですね。

 

 

 そこから、高校生の時、大学生の時と見返すにつれて、だんだんそのかっこよさに気づき始めました。

 

 

大学を卒業する頃には一番好きな映画になっていました。

 

今となってはそんなことは無いのですが、高校時代は

あんまり学校になじめなかったのもあって、

 

月に30本くらいは映画を観ていました。

なので本当に映画が好きな人(シネフィルと言われるような)には到底及ばないにせよ

映画はかなり観てきた方だと思うのですが、

その結果一番好きな映画は

中学の時はさっぱりわからなかったゴッドファーザー

になっていました。

 

そして二番目はゴッドファーザーpartⅡになっていました。

partⅡについてはまた別で書きたいと思います。

 

 

 

 

ゴッドファーザーの魅力1 重厚な脚本

 

 

 

 ゴッドファーザーマリオ・プーゾの小説「ゴッドファーザー」を原作とした作品なのですが、とにかくその脚本たるや重厚の一言。

 

まさにハードボイルド。

大衆に媚びたシーンや軽薄な表現は全くありません。

終始ストロングスタイルで鬼の渋さをキープしたままの3時間。

とにかく安っぽいシーンが全く無い。

どのシーンも台詞もとてつもない説得力です。

淡々とした会話にも迫力があり、常にリアルな空気感がにおいたってきます。

 

さらにはその濃密さ、

 

とは言っても、(中学生以下は置いといて)決してわかりにくい話というわけではありません

話の筋自体は初見でも誰にでも理解できるものですし、決して難しい話ではありません。

 

なにが濃密なのかと言うと

何度観ても発見があるくらいに練りこまれた設定や人物関係、細かい人物の描写。

 

何度も観るたびに

 

ああ、この人はこういう人だったのか。

ああ、この人とこの人はこういう関係だったのか。

ああ、だからあのシーンであの人はあんなことをしていたのか。

 

細部までのこだわりにどんどん気づくことが出来ます。

 

しかしこう書くと

 

「一回観ただけじゃわからないのか…」

「やっぱ難しい映画なんじゃ…」

 

そんな風に思う人がいるかと思いますが、全然そんなことはありません。

 

重ねて書きますが、ストーリー自体は誰にでもわかるものですし

決して映画が好きな人、映画に精通している人にしかわからない映画ではありません。

 

ゴッドファーザー

 

一回観ただけではわからない映画

 

ではなく、

 

何度観ても面白い映画なんです。

 

 

騙されたと思ってそこの

「難しい映画は私にはちょっと…」

と思ってるアナタ!

 

一回だけでも観てみてください。きっと難しい映画じゃないことがわかると思います。

 

 

ゴッドファーザーの魅力2 俳優達の神演技

 

 

ゴッドファーザーの魅力を語る上ではずすことができないのは、

俳優達の名演技です。

いや名演技どころじゃない!

まじで神演技なんです!

 

アカデミー賞ではマーロン・ブランド主演男優賞を受賞。(本人が受賞を拒否してはいますが)

ジェームズ・カーンロバート・デュヴァルアル・パチーノ三人助演男優賞にノミネートされています。

 

 

その四人以外もフレドを演じたジョン・カザールを筆頭に、ソロッツォや警部、出番の少ない脇役達まで皆渋い存在感で輝いています。

 

素晴らしいのは今の日本の多くの映画(決して全部ではない)と違って、

イケメンが少ない皆本物なんじゃないかと思うくらいリアル

なところです。

 

こんなおっさんいそうだなぁ

こんな気の弱そうな兄ちゃんいそうだよなぁ。

本当に怖い人ってこういう人だよなぁ。

 

本当に細かい所でもそんな風に思わせてくれます。

これは役者もそうですし、キャスティング自体がまず素晴らしいと思います。

 

 

そしてそんな助演達の名演の上にこの人。

 

 

主演 マーロン・ブランド

 

 

f:id:ginji_chuni:20181116134102j:plain

そう、この人ですね。

 

 

そもそもがマジで怪物級の役者なんですが、

地獄の黙示録を観ていただけるとその怪物ぶりがわかると思います。)

 

ゴッドファーザーでの演技は特に神懸っています。

 

 

上の画像を見ていただければわかるかと思いますが、

彼がゴッドファーザーで演じたヴィト・コルレオーネという役は、

コルレオーネファミリーというマフィアのドンであり、

裏社会の超大物。

孫までいるジジイです。(設定上ではそこまジジイではないですが)

 

 

しかし当時のマーロン・ブランドは実は映画公開当時で47歳。

実年齢はまだまだ若かったんです。

 

 

 

ゴッドファーザーと同年に公開された映画

「ラストタンゴインパリ」でのマーロン・ブランドがコチラ

 (こちらも素晴らしい映画)

 

 

 

f:id:ginji_chuni:20181116162501p:plain

 

 

別人やん!

 

…というほどでは無いにせよ、本当はまだ若かったということがわかっていただけると思います。

 

コレ、画像だけではそこまででもないんですが、

実際に映画を両方観てみると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや別人やん!!

 

 

 

 

 

 

 

これ間違いなくこうなります。

 

見た目の違いもさることながら、特筆すべきはその演技なんです。

 

ゴッドファーザーマーロン・ブランドを観てみて下さい。

もうホンマにね

 

 

ジジイ

 

家長

 

大物

 

 

マフィアのドン。

裏社会の超大物。

家族の誰もが敬うゴッドファーザー

 

そんなとんでもない肩書きに対して

 

 

 

 

 

 

 

 

説得力53万

 

 

 

 

 

 

そこに立ってるのはマーロン・ブランドではなく

完全にドン・コルレオーネ

 

 

 

まず声からして全然違います。

 

ガラガラのしゃがれた声。

これ一歩間違えればめちゃめちゃわざとらしくなりそうなもんですが

全く不自然に聞こえない。

そんな声の人にしか見えないんですよね…。

 

この役をやる上で

この声を選ぶセンス、そしてそれをこのレベルで実現するスキル。

これだけでも本当に凄いことです。

 

 

そして圧倒的なたたずまい。

 

一挙手一投足にドンの風格がにじみ出ています。

立ち方、座り方、

身振り手振り、

表情、

目線のくばり方、目線の外し方、

指先の動き、

どこをとってもドン・コルレオーネ。

 

特に指先の使い方は絶品だと思います。

 

 

f:id:ginji_chuni:20181116134102j:plain

 

この画像でも人差し指が非常に印象的ですよね。

随所でこの指の使い方がドンの風格を演出しています。

 

部下に指示を出す時、彼はほんの少し指先を動かすだけで指示を与えます。

その優雅な動きからは余裕自信が感じられます。

そしてその最小限の挙動によって人を動かす姿が醸し出す風格威厳。

 

その指示によって即座に反応するファミリーの、ドンに対する畏敬の念。

 

指先だけで嗚呼ドン・コルレオーネです。

 

 

 

溢れ出る家族への愛情

 

 

それらのまさにマフィアのドンたる居住まいたたずまいに加えて、

家長である彼の、家族に対する大きな大きな愛情も見事に表現しています。

 

日常の家族に対する接し方からし

ただ優しいだけではない、大切に思っているからこそ時には厳しい

そして思慮深く忍耐強い大きな背中の父親がそこにはいます。

 

そんな大きな愛情と、家族にマフィアの仕事をさせてしまうことへのジレンマ

 

長男ソニーが殺されてしまってからの一連のシーン。

まさに絶品です。

 

なにが絶品なのかというと、

 

ここは脚本と合わせて素晴らしいのですが、

彼はそこで、長男を殺した相手のファミリーに対して、すぐに報復をしない。

 

むしろ停戦、和平をする方向に動きます。

 

そして他ファミリーのドン達の前で停戦、和平を提案し、その上で、これ以上自分のファミリーに危害を与えるものは決して許さないと語る演説シーン。

そんな会合のさなか、本当に長男を殺した黒幕を冷静に見極めるドン。

 

 

シビレる…!!

 

この辺りの流れは本当にヤバイです。

 

父であること、マフィアのドンであること。

そのはざま。

長男を殺された上でも冷静に思慮深い対処をするゴッドファーザー、ドン・コルレオーネ。

 

その愛情と覚悟、背負っている責任とドンたるゆえんを見事に表現した脚本。

 

そしてそれをとてつもない説得力で演じきるマーロン・ブランド

 

もう…乾杯や!

 

 

 

 マーロン・ブランドだけではなく

その他のメインの役どころを演じるアル・パチーノロバート・デュバルジェームズ・カーンもそれぞれ本当に素晴らしい演技をしています。

 

全員について書くととんでもない分量になってしまいそうなので今回はこの辺で。

それぞれの俳優についてはまた個別に記事を書くかもしれません。

それにアル・パチーノについてはゴッドファーザーpartⅡの時にまたたっぷり触れたいと思います。

 

 

 

ゴッドファーザーの魅力3 綺麗ごとでは無いかっこよさ

 

 

 ゴッドファーザーは家族の話ですが、やはりマフィアの話でもあります。

主人公達はいい面も持ち合わせてはいますが、やはり彼らはマフィアです。

海千山千の悪人達の中で生き抜くアウトローであり、犯罪者です。

必要があれば人を欺き、時には人を殺すことさえできなければ生き抜いていけない世界に身を置く彼らは、非情に徹することができなければなりません。

そうしなければ簡単に欺かれ、簡単に命を落としてしまいます。

結果的に家族を守ることもできないのです。

 

家族のため、ファミリー(一家、組織)のため、非情にならなくてはならないのです。

 

家族の前では思慮深く偉大な父親である前述したドン・コルレオーネも、

報復の依頼を受ければ人を殺すこともします。

 

家族に敵対するものがあれば、時には容赦なく殺す。

家族の繁栄のために邪魔なものがいれば、時には容赦なく殺す。

家族のためならば、手段は選ばない。

それがマフィアの生き方なのです。

 

マフィアとして生きる彼らの覚悟、強さ。

 

一般的にみれば犯罪者であり悪人かもしれませんが、

家族のために非情に徹する彼らの生き様。

 

 

やっぱりそこがかっこいいんですよね。

 

 

 

今回はそんな強さが印象的な、私の大好きなシーンを紹介します。

 

 

 

それがこちら!

 

f:id:ginji_chuni:20181116190853j:plain

 

マイケルが妻ケイに「カルロを殺したの?」と問い詰められるシーンです。

 

 

 

アル・パチーノ演じるマイケルは、コルレオーネ一家の三男で、今作でドンの座を引き継ぎ、新たなゴッドファーザーになります。

簡単に言えばゴッドファーザーは前述のドン・コルレオーネが引退し、マイケルが新たなゴッドファーザーになるまでを描いた作品です。

 

マイケルは元々はカタギの人間であり、父であるドン・コルレオーネも、マイケルにはマフィアの仕事にかかわらずに生きていってほしいと望んでいたのですが、長兄であるソニーの死や状況がそれを許さず、結果としてマイケルが一家を引き継ぐことになってしまうのです。

 

ドンの座を引き継いだマイケルは、妹コニーの夫であるカルロを殺害します

何故ならカルロは一家を裏切り、その結果マイケルの兄ソニーは殺害されることになってしまったからです。

(元々カルロは一家から信頼されていなかったのですが)

 

コニーはマイケルの元を訪れ、

「あんたがカルロを殺したのね!?」

と激昂し、叫びまわります。

 

それを見ていたマイケルの妻ケイはマイケルに詰め寄ります。

 

「カルロを殺したっていうのは本当なの?」

 

それもそのはず、ケイがマイケルと出会ったのはマイケルがまだカタギの頃です。

ケイは決して「極道の妻」のような妻ではないのです。

夫が人を殺したというのは、受け入れがたいことでしょう。

 

「仕事のことに口を出すな」

 

マイケルはつきはなしますが、ケイはなおも詰め寄ります。

 

「本当なの?」

 

マイケルは机を叩き、怒りますが、

ケイは依然として懇願するような表情でマイケルを見つめたままです。

 

そんなケイの姿にマイケルは怒りを飲み込み、静かにケイに話します。

 

「一度だけだ。今回一度だけ答えてやる。」

 

ケイは息をのみ、マイケルに尋ねます。

 

「本当に殺したの?」

 

しばしの沈黙ののち、マイケルは静かに、穏やかに答えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やってない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケイは安堵し、マイケルはケイを抱き寄せます。

しかしケイの頭ごしのマイケルの顔は、冷徹そのもの。

虚空を見つめるその顔はもはやケイの知るマイケルではなく

ゴッドファーザーのそれであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渋すぎかよ!!!!!

 

 

 

 

まじでかっこよすぎでしょこのシーン!!

 

ここで嘘っ…!!

 

 

 

本当にこれ以上は映画を実際に観て下さいって感じなんですが、

 

この最後の「やってない。」

英語では「no」ですが、

 

 

「一応そう言っとく」っていう言い方じゃないんです。

「本当にそう信じさせる」言いをしてる。

 

「本当にやってないよ。」と。

 

ケイのため、そしてゴッドファーザーとしては

ここは嘘をつくしかない。

 

ケイも本当に殺してないと信じきっているわけではないでしょう

しかし嘘だとしても

 

「やってない。」と言って欲しい。

 

 

「やってない。」

この嘘…。

 

 

 

 

もうマイケルはゴッドファーザーとして一家を守っていく覚悟を固めたんでしょうね。

その上で裏切り者は殺し、嘘もつく。

 

 

マイケルの覚悟と強さ、複雑な心境を見事に表現した映画史に残る名シーンです!!

 

是非!実際に映画でこのシーンを観て欲しいです!

 

 

 

最後に

 

 今回も長くなってしまいましたが最後までお読み下さり、真にありがとうございます。

ゴッドファーザーの魅力が少しでも伝われば、そしてあわよくば観ていただければとてもうれしいです。

私も書いていて、また観たくなってしまいました。近いうちにまたTSUTAYAに駆け込もうと思います。

皆さんもしこれを読んでTSUTAYAに行っていただけたとしてもその再生時間に恐れをなす方もいるかと思います。なんせほぼ3時間ですから。

 

しかし心配要りません!あっという間ですから!

 

むしろ終わらないでくれ、と思うはずです。

 

それでは今回はこの辺で、また次の記事でお会いしましょう!